編み物や手織りよりも、さらにやっている人が少ないと思う「糸紡ぎ」。
スピンドルや紡ぎ車を使って、糸を紡いでいる人が現代の日本にもいるのです。
私も、たまたま人に勧められたことをきっかけに、スピンドルをやっている一人です。
やっている人口が少ないからでしょうか、編み物などに比べると糸紡ぎの市販本は少ないと感じます。
最近、糸紡ぎの本を2冊読んだので、「どの本を購入しよう…」と迷っている人向けに紹介しようと思います。
今回紹介するのは、
- 緒方伶香『きほんの糸紡ぎ』(誠文堂新光社)
- 青島由佳『糸紡ぎのテクニックとデザイン』(誠文堂新光社)
です。
先に結論を言うと、
『きほんの糸紡ぎ』
→スピンドル初心者向け
『糸紡ぎのテクニックとデザイン』
→スピンドル・紡ぎ車中級以上の方向け&アートヤーンに興味がある方向け
だと思います。
『きほんの糸紡ぎ』
↑Amazonでは試し読みで目次がチェックできます。
『きほんの糸紡ぎ』は、スピンドルの基本的な使い方などが詳しく書かれた、スピンドル初心者向けの本です。
「基礎編」では、スピンドルの回し方や単糸の紡ぎ方といった基本が、写真付きで丁寧に解説されています。
「応用編」では、3色の単糸を撚り合わせた糸など、ステップアップした糸紡ぎの方法が載っています。
違う色の羊毛をあわせて糸を作ったり、違う素材を混ぜて糸を作ったり、糸紡ぎの自由度の高さにわくわくする章です。
さらに「上級編」として、ナボハ撚り、ノット撚りの方法も載っています。
他には、手紡ぎの糸を使った「ハンドフォーマー」「ミニマフラー」の編み方、代表的な羊の種類などが紹介されています。
本のタイトルのとおり「スピンドルの基本」が丁寧に書かれた本です。
スピンドルの初心者さんが、1冊持っておくと安心な本だと思います。
「スピンドルの基本」なので、羊毛の洗い方や染め方、糸車の使い方といったことは載っていません。
『糸紡ぎのテクニックとデザイン』
↑Amazonでは試し読みで目次がチェックできます。
『糸紡ぎのテクニックとデザイン』は、糸紡ぎの中級以上の方向け、アートヤーンに興味のある方向けだと思います。
繊維の種類について詳しく書かれていますし、
「羊毛を洗う、染める」「紡ぐ前の準備」「スピンドルでの紡ぎ方」「紡ぎ車での紡ぎ方」というように扱っているトピックスが多いです。
そして、本書の一番の特色は、アートヤーンの紡ぎ方、アートヤーンの作家紹介があること。
「アートヤーンとは何か」のイメージがわかない人は、本書の表紙の虹色の糸をご覧になったらイメージがわくかもしれません。
カラフルだったり、質感が独特だったり、個性の強い、紡ぐことの無限の可能性を追求した糸たち…。
こちらの本は、扱っているテーマが多い分、基本的なことが事細かに説明されているわけではないので、初心者向けではないように感じました。
全206頁とそこそこ厚みのある本で、価格も3,500円+税。
さらなる糸紡ぎの高みを目指す方、アートヤーンが好きな方にはたまらない本だと思います。
まとめ
糸紡ぎの本についてまとめますと、
- 『きほんの糸紡ぎ』→スピンドル初心者向け
- 『糸紡ぎのテクニックとデザイン』→スピンドル・紡ぎ車中級者向け&アートヤーンに興味がある方
です。
なかなか書店に在庫がなくて、どれを買えばよいか悩んでいる方の参考になりましたら幸いです。