「昔のクウネル」を買って読んでみました。
「暮らし」を大切にしている人たちが、影響を受けた雑誌として、よくその名前があがる雑誌「ku:nel」(クウネル)。
その話を聞くたびに私はなんだか違和感があったのですが、最近、その謎が解けました。
クウネルはリニューアルで変わった
今、書店で売られている「ku:nel」(クウネル)は、50代からの大人の女性をターゲットにしたライフスタイル誌です。
特集の中心はファッションで、グレイヘアが素敵なパリのマダムのコーディネートなんかが紹介されています。
私はこの「クウネル」しか知らなかったので、「暮らし」を大切にする人たちが、どうしてこの雑誌に影響を受けたのか謎でした。
最近、読んでいた本に、「クウネル」のリニューアルのことが書かれていて、昔の「クウネル」はコンセプトが今の「クウネル」と違うことを知りました。
リニューアルが行われたのは、2016年。
リニューアル前の「旧クウネル」は、「ストーリーのあるモノと暮らし」がコンセプトでした。
ライターさんから無名の人まで、仕事や趣味、家庭料理、住まいのことなど、「日常生活のなかに良さを見つける」といった感じの雑誌だったようです。
50代以降の女性をターゲットにしているわけでも、ファッションが中心でもありませんでした。
「旧クウネル」は、今の「新クウネル」とは、だいぶ違った雑誌だったのです。
リニューアルによる反発
リニューアルの際は、「旧クウネル」が好きだった方々の反発が強かったようです。
リニューアルしたばかりの「新クウネル」のAmazonレビューには、大量の☆1と厳しい意見が並んでいます。
あまりにもコンセプトが変わってしまっているので、ファンが怒るのも無理ないように思いました。
コンセプトを変えたのは雑誌の売れ行きに問題があったからだと思いますが、中身をがらりと変えるなら、「クウネル」は廃刊にして、他の名前で新しい雑誌をやればよかったのに、なんて思ってしまいます。
強い反発もありましたが、2021年の今日まで「新クウネル」は続いています。
「新クウネル」は新たなファンをしっかりと掴んでいるようです。
「旧クウネル」を買って読む
私は「旧クウネル」を読んだことがなかったので、ネットで古本を買って読んでみました。
実物を見て購入したいのであれば、神保町にある、ファッション系の雑誌などを扱っている「magnif」さんという古本屋に行けば、見つかるかもしれません。
「旧クウネル」のバッグナンバーは、76号まであるようです。
中身を見ないで購入するので、どの号を購入しようか悩みました。考えた末、2004年5月に刊行されたvol.7を購入することにしました。
岡尾美代子さんの引っ越し
なぜ、「クウネル」2004年5月号を購入したのか。
それは、北欧暮らしの道具店のインターネットラジオ番組「チャポンと行こう!」で、店長佐藤さんがお話されていたことがきっかけです。
佐藤店長が愛読していた雑誌を紹介された際に、「旧クウネル」をあげられていました。
そして、「スタイリストの岡尾美代子さんが引っ越しました」という特集を何度も読んだという話もされていて、興味を持ちました。
その「岡尾美代子さんの引っ越し」の特集が掲載されている号が、2004年5月号です。
表紙の写真が岡尾さんのお部屋です。
その部屋があるマンションは、岡尾さんが20年近く、前を通るたびに気になっていた、代官山にある古いマンションだったそうです。
ある日、岡尾さんがいつものようにそのマンションを見ていたら、空き部屋を見つけたので、不動産屋さんへ。
内見した部屋の中は、前回の東京オリンピックの時代特有のどこか外国っぽい雰囲気。
しかし、無神経なリフォームによって、建てられた当時の雰囲気が台無しになっていて、岡尾さんはこの部屋を「かわいそう」というふうに感じます。
一度は借りるのを諦めようとする岡尾さんですが、南向きの大きな窓の印象が忘れられず、住むことを決心します。
「かわいそうな空間」であったその部屋に、岡尾さんがどのように手を加えてきたかが紹介されています。
掲載された部屋の写真から、岡尾さんのセンスのよさを感じました。
無造作に置かれたクリネックスのティッシュ箱さえも、おしゃれに見えます。
また、記事を読んで、センスのよい人であっても、部屋を自分好みにするのには苦労しているんだと知りました。
他に、この号では、ミナペルホネンの長江青さんの特集がよかったです。
前に皆川さんの自伝『生きる はたらく つくる』を読んで、無名時代からミナを支えている長江青さんのことを知り、興味があったので。
この号を読んだ後に、「クウネル」の発行部数などを調べて、リニューアルについて考えてみました。