「芸術新潮 2021年10月号」は民藝特集。
東京国立近代美術館で開催される「民藝の100年」展にあわせた特集みたいですね。
「民藝の100年」展のほうは10月26日(火)から開催されます。
「芸術新潮 2021年10月号」では、民藝がわかりやすく紹介されているので、
民藝品に興味を持ったけれど「民藝とはなにか?」はなんだかわからない…という方や、展覧会に行く前に予習したい方におすすめです。
民藝特集の中身と感想
民藝に関する特集は、こんな感じでした(「芸術新潮 2021年10月号」Amazon書誌情報に加筆)。
- 【料理】土井善晴「家庭料理は民藝だ—手仕事という土台」
- 【Q&A】10問10答 「民藝」って何だろう? (高木崇男)
- 【グラフ】85年の時を刻む方舟 日本民藝館
- 【座談会】中の人が語る日本民藝館の日常(杉山享司・古屋真弓・佐藤昇子)
- 【対談】小池一子×深澤直人「民藝、デザイン、無印良品—違和感から生まれたもの」
- 【紀行】山陰—「民藝」のこころを紡ぐ場所
- 【Book Guide】いま民藝を考えるための12冊(鞍田崇)
- 【Information】展覧会案内
中でも、「【Q&A】10問10答 「民藝」って何だろう?」が平易な文章で、民藝のことや民藝の用語でわかりにくいものについて解説されていて、頭の整理になりました。
1問ずつ見開きで解説されています。
同じ著者の『わかりやすい民藝』も読んだのですが、「芸術新潮」のほうが簡潔な内容で「1問1答」なので調べたいトピックがすぐに見つけ出せると思いました。
こちらを民藝の入門で読んでから、他の書籍に触れるといいのではないかと思いました。
写真は、民藝館の器に土井善晴さんの料理を載せているのがよかったです。
瀬戸の石皿に盛られたまあるいおにぎり。
やっぱり、器は使ってこそと思いました。
他には、なかなか知ることのできない民藝館の中の人々の座談会で、お仕事の様子を垣間見ることができました。
「3時のお茶の時間」があるっていうのが、ゆったりしていていいなと思いました。
鳥取に行きたい
雑誌の民藝特集というと、「柳宗悦が愛した全国各地の器」などが紹介されるのかな?と予想していましたが、そういうのはなく、
「【紀行】 山陰—「民藝」のこころを紡ぐ場所」ということで鳥取と島根の民藝ゆかりの地と窯元が紹介されています。
この特集、私にはホットな内容でうれしかったです。
というのも最近、鳥取大学で民藝のオンライン講座を受講したことで、
鳥取は民藝運動がとても盛んな地であることを知ったからです。
なぜ、鳥取で民藝が盛んだったかというと、柳宗悦から影響を受けた吉田璋也というお医者さんが、精力的に民藝の活動をされていたからなんです。
吉田璋也の活動については他の記事で。
吉田璋也のお陰で、今でも鳥取には、民藝を楽しめる施設や窯元さんが多く残っています。
そういったことを知り、いつか鳥取に行きたいなと考えている私には山陰特集はちょうどよい内容でした。
展覧会のお陰で他にもいろいろ民藝関係の書籍が出版されるみたいですね。こちらは民藝館の学芸部長杉山享司さんの著作。