先日、群ようこ『きものが着たい』(KADOKAWA)を読了しました。
群ようこさんご本人とお知り合いの方の着物エピソードが紹介されている本書。
とくに、群ようこさんのエピソードがすごかったです。
貯金がなくなる金額の着物をいきなり買うなんて、私には真似できない!
今回は、『きものが着たい』に倣って、私自身の着物エピソードを書こうと思います。
といっても、私は超初心者。着物をまだ着ることさえできていないのです。
きものを着たいという夢
2019年の年の暮れ、私は2020年こそ「きものが着たい」と思いました。
大正ロマンが好きだったり、美術館に行った際に素敵な着物をお召しになっているご婦人を見かけていいなと思ったり、以前から着物に対する憧れがありました。
着物に対して、憧れると同時に、
「高い」「着るのめんどくさそう」「手入れが大変そう」「TPOがよくわからない」「覚えることが多そう」「近所を歩く自信はない」
という、とっつきにくいイメージも抱いていました。
それでも、やっぱり、着物を着てみたい!
2020年の目標の一つを「着物を着ること」にしました。
そして、2020年1月、私は着物に興味を持っていることを、実家にいる母へ伝えました。
なぜ、まず、母親に伝えたのか?
誰かに聞いたのか、どこかで読んだのか忘れてしまいましたが、
次の教えに従ったのです。
「着物を始めたいけれど、手持ちの着物がない」と悩む初心者さんは、
お母さん・おばあちゃんなど、親族に声をかけると、眠っている着物を譲ってもらえるかもしれません。
初心者は、まずはその着物を狙うのです!
華道を習っていた母の着物
そもそも、母が何かしら着物を所持していることを知っていました。
成人式に私は母の娘時代の振袖を着ましたし、着物姿の若い母の写真も見た覚えがあります。
実家に数枚の着物がありそうな雰囲気を感じていたのです。
結果、振袖の他に、「町娘かよ」とツッコミをいれたくなる黄八丈と、牡丹のような柄が入った大島紬を母が持っていることがわかりました。
結婚する前の母は華道を習っていました。その時に着用するために、今は亡き祖母が奮発して購入した着物でした。
母は華道を続け、師範のお免状取得に至ります。
しかし、その後、母は華道を仕事にも趣味にもせず、私は母が着物を着ているところを見たことはありません。
実家にある着物2枚の他に、着物にあわせた帯や桃色の訪問着があったようです。
しかし、母の実家を処分する際に、どこかに行ってしまったかもとのこと。
帯がないのは残念ですが、先人の言うとおり、親族に、着物があるか聞いてみるものだなと思いました。
着物の夢は先送り
私が次回、実家に帰省した際に、母の着物をもらう予定でいました。
若い頃の母と私は背格好が近いので、おそらくサイズも大丈夫だと予想しました。
母は自分では着ないけれど、祖母が購入してくれた着物を手放すこともできなかったようで、私が着るのがうれしいみたいでした。
しかしながら、2020年の新型コロナウイルス感染拡大、そして、自分自身の妊娠が判明し、着物の夢は先送りになりました。
服って、ただの着る布ではないんだと
その後、父方の祖母宅を処分した際にも、着物が発掘されました。
祖母が施設に入居するため、父が一人で祖母宅を片づけていた際に、着物を発見したようです。
父は、たくさんある着物の中から状態の悪いものなどは処分し、着物8枚・帯6枚を持ち帰りました。
私は父に着物に興味を持っていることを伝えていませんでした。
それでも、父は何を考えたのか捨てずに持って帰ってきてくれたので、母から「おばあちゃん家から着物が出てきたよ」と連絡を貰うことができました。
私は祖母の着物姿を見たことがありません。
母もあの家のどこに着物がそんなにあったのだろう、と不思議に思っているようでした。
華道をやめた母も、腰が曲がり歩くことさえ困難になった祖母も、手放すことができなかった着物。
服って、ただ着るためだけの布ではないんだなと、改めて思いました。
結局、私はまだ着物を着ることはできていませんが、母や祖母の思いのつまった着物をいつか着ることができたらいいなと思います。
そのときは、『きものが着たい』での群ようこさんの初心者向けアドバイスを参考にしようと思います。