TBSのドラマ「逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!」を観ました。
今回の新春特番は、2016年のドラマシリーズの続編です。
みくりが妊娠したことをきっかけに、みくりと平匡が入籍。2人で育児をするために奮闘しますが、新型コロナウイルスの脅威が…というお話。
私は前回のドラマシリーズが好きで、今回の特番も楽しみでした。
観てみて、今回は、前作の「ムズキュン」な感じとは違うなと思いました。
現在、自分自身が妊娠中ということもあり、タイムリーな話題ばかりで、いろいろ考えさせられる内容でした。
問題提起が多い!
今回2時間の番組の中で、たくさんの問題提起がなされていました。
- 勤め先での出産の順番待ち
- 選択的夫婦別姓
- 育児の主は女性で、男性は補助
- 子宮体がんが健康診断でわからないこと
- 独身者や同性愛者の「家族の同意」
- 同性愛のカミングアウト
- セクシャルハラスメント
- 育児休業を男性が取りにくいこと
- 親世代とのジェネレーションギャップ
- 男でも女でも通用する名前
- 計画的無痛分娩
- コロナ禍
- マスクや乳幼児向け衛生用品などの買い占め
- リモートワークに否定的な管理職
思いつくものだけ挙げてもこれだけあります。
前作は、みくりと平匡のムズキュンが人気だったと思うのですが、今回は両想いがわかった後の2人ということで、ムズキュンとは違う感じでした。
平匡がグレープフルーツゼリーを買いに走るシーンや、平匡が館山でみくりと赤ちゃんを見つめているシーンなど、胸がキュンとするところはありましたが。
前作でも、「社会派ラブコメディ」ということで、結婚の問題などに触れていましたが、今回はさらに社会派な感じです。
新春特番を観る前に、これだけ人気のコンテンツなのだから、どうして半沢直樹みたいに「逃げ恥2」という形で、連続ドラマにしないのだろう?と思っていました。
新春特番を観た後に感じたのは、これはこれで面白いけれど、きっとムズキュンを期待していた人にとっては、なんか違うと思うのかなということです。
私自身は、もっと掘り下げられるテーマもあるし、連続ドラマであることによって、視聴者がほっとするシーンもさらに多く作れたはずだから、やっぱり連続ドラマで観たかったなと思いました。
西田尚美さん演じる百合ちゃんの同級生の話など、もっと観たかったです。
それにしても、放送すれば視聴率取れるでしょうに、なんで2時間ドラマなんでしょう?
役者さんたちのスケジュール調整が難しいのでしょうか…。
ドラマに描かれなかったことで気になったこと
次に、新春ドラマに描かれていなかったことや自分のことと関係して気になったことについて書こうと思います。
保育園問題
一つ目は、保育園の問題。
2月に、亜河(あこう)ちゃんが生まれ、平匡は、産後1ヵ月の育児休業を取得する予定でした。
平匡の話では、みくりが7月に復職するので、そのときに再度、2ヵ月の育休を取得する予定とのことです。
出産後8週間以内に育休を取得した場合は、再度育休を取得できるという「パパ育休」の制度をちゃんと使ってますね。
都市圏では、0歳児の入園でも待機児童が発生するという世知辛い世の中です。
まして、年度途中で入園できるという見込みはあるのだろうか?と私は気になりました。
みくりの勤める会社は大手っぽいので、企業内保育所があるのでしょうか?
順番で育児休業を取る部署もあるような会社だし、人を臨時で雇うよりお金のかかりそうな、企業内保育所はないんじゃないか?と思いますが…。
0歳で入園させるために、妊娠中から保育園の見学に行っているという話はよく聞きます。新春の逃げ恥には、そのようなシーンはありませんでした。
また、さらに用意周到な方の中には、一番募集の多い4月に預けやすいように、出産時期を考えて子作りするという方もいるようですが…。
個人的には、保育園探しに奮闘する二人を観たかったような感じもします。
他方で、そういう場面に需要があるのだろうか?という疑問も。
多くの人はドラマに何を求めているのでしょう? 恋愛? サスペンス? 感動?
立ち合い出産
「逃げ恥」の新春特番を隣で観ていた夫が、
「俺もここにいたはずなんだよな」
とつぶやいていました。
それは、妊娠検査薬で陽性反応が出たみくりが、平匡と病院で赤ちゃんのエコー画像を初めて見るシーンです。
現在、私の通う関東にある産婦人科医院では、新型コロナウイルス感染予防のため、診察の付き添いが全面禁止になっています。
夫は産科でエコー画像を見るのを楽しみにしていましたが、今に至るまで一度も産科に行って見ることはできていません(エコーの写真をもらって帰るので、それは見ていますが)。
そして、出産時の立ち合いや面会も禁止です。
つまり、出産のため入院してから退院するまで、妊婦は夫にもその他の家族にも会うことができません。
みくりが出産した2020年2月上旬は、日本で新型コロナウイルス感染拡大が始まったばかりの頃で、まだ立ち合いが可能だったのでしょう。
私の通う産院でも、立ち合いが禁止になったのは、2020年4月からでした。
私自身も、みくりと同じように計画無痛分娩の予定です。
新型コロナウイルスのことがなければ、みくりと平匡みたいに、ナースコールを押すかどうかを夫とやり取りしていたのかな、なんて思います。
それでも、出産のための入院は通常数日のことですし、みくりと平匡のようにしばらく離れ離れで暮らすことを思えば、まだましなのかもしれません。
みくりと赤ちゃんが館山から横浜に帰ってきた日は明示されていませんが、現実の世界では、2020年6月に県をまたぐ移動の制限が解除されたので、その頃でしょうか。
誰かに優しくなれるドラマ
私は第一子を妊娠して、みくりと同じように、「子育ては母親の私がやる」のではなくて、「夫婦二人でやる」ものなんだよ!と、夫にアピールしてきました。
ドラマの平匡の姿を観て、夫がこれまでやってくれたことを思い出しました。
ドラマのように、つわりの酷いときに、グレープフルーツゼリーやトイレットペーパーを買ってきてくれました。
私が思うように体が動かず家事が手抜きでも、文句を言わず、自分で洗濯したり、お弁当を買ってきてくれたりします。
胎動をよろこび、毎日のようにお腹に話しかけていることも同じです。
そして、里帰り出産をせずに、育休を取得した夫と育てる予定であることも同じでした。
ドラマを観て、私自身が、みくりのように、どうして女性ばっかりがこんな思いをしなきゃならないんだ!という気持ちもあって、男性は肉体的変化がないのだからと、夫が色々してくれることが当たり前になってしまっていたことに気がつきました。
そして、夫が、仕事の忙しかった時期に疲れきった様子でいたことを思い出しました。
私は妊娠の辛さについて、夫や母親、友達など愚痴を言う相手はいますが、夫は私以外に愚痴を言う相手がいないことにも気づかされました。
義理の両親や兄弟、会社の上司など、心配して夫に声をかけてくれる人はいますが、彼は今のところ、現在の状況について誰かに愚痴をこぼしたり相談したりはしていない様子です。
夫をあまり頑張りさせ過ぎないように、私自身がもっと余裕を持たなきゃなと思います。
ドラマを観て、自分とは違う立場の人の思いに触れることで、誰かに今までよりも優しくなれるように思います。
夫のほうも、ドラマを観て何か思うことがあったようで、つわりのシーンのときに「ごめんね」と私に謝っていました。
また、最後の平匡の「全部もっと楽しめばよかった」という言葉に考えさせられました。
新型コロナも育児も大変だけれど、いつかは終わる。今を大切にしたいなと思います。