新型コロナウィルス感染拡大防止のため、多くの美術館・博物館の臨時休館が続いています。
一方で、緊急事態宣言が解除された県にある美術館・博物館を中心に、再開の動きも見られます。
今後、美術館・博物館はどうなるのでしょうか。
以降は、2020年5月15日現在の情報です。
→2020年5月22日に一部更新しました。
→2020年5月30日に一部更新しました。
再開する美術館・博物館も
5月14日付で、39県における緊急事態宣言が解除されました。
一方、宣言が解除されなかった都道府県は、東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・京都・兵庫・北海道です。
宣言が解除された県では、感染防止策を講じた上で、再開する美術館・博物館も出てきました。
再開・休館情報については、下記のサイトで、わかりやすくまとめられています。
なお、随時変更の可能性があるため、お出かけの際には各ミュージアムの公式サイトをご確認ください。
開館・休館についてまとめたサイト
全国1188施設の開館・休館情報が掲載されています。
開館・休館がそれぞれまとめて掲載されています。
東京は今後どうなる?
残りの都道府県(東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・京都・兵庫・北海道)については、今月21日を目途に、宣言を解除するか再度検討される予定です。
<5月22日更新>
政府は21日、京都・大阪・兵庫の3府県で緊急事態宣言を解除しました。
東京など他の都道県については、25日に解除するか改めて検討される予定です。
<5月30日更新>
政府は25日、東京など残りの5都道県でも緊急事態宣言を解除しました。
東京都では段階的に休業要請を解除
東京都の小池知事は、15日の記者会見において、宣言の解除後、感染状況に応じて段階的に休業要請を緩和していくことを明らかにしました。
具体的には、「新たな感染者が1週間平均で1日20人未満」などの基準を満たした場合、「ステップ0」から「ステップ3」までの4段階で緩和していく方針です。
- ステップ0・・・現在の休業要請のレベル
- ステップ1・・・美術館・博物館・図書館といった、都民の文化的、健康的な生活を維持するうえで必要性が高い施設の休業を緩和
- ステップ2・・・クラスター歴がなく、「3密」になりにくい施設の緩和
- ステップ3・・・クラスター歴があるか、高リスクのある施設を除き、入場制限等を前提として全ての施設の緩和
各ステップへの移行は、2週間ごとに状況を判断し、実施される予定です。
営業再開した場合でも、入場規制、営業時間短縮などソーシャルディスタンスの確保が前提となります。
<5月22日更新>
22日、東京都の小池都知事は、記者会見で、25日に緊急事態宣言が解除されれば、26日午前0時から「ステップ1」に入る見通しを示しました。
<5月30日更新>
緊急事態宣言が解除されてことを受け、「ステップ1」に進め、美術館などの休業要請が緩和されました。
東京の美術館・博物館は、いつ再開になるのか
<5月30日更新>
以上の情報をまとめると、
- 今月25日に、国が東京都の宣言解除
- 宣言解除で「ステップ1」=美術館・博物館が再開が可能になりました。
5月30日現在、美術館・博物館で、すでに再開しているところは少ないです。
再開未定の美術館・博物館もありますが、一部の美術館・博物館では、再開日程がアナウンスされています。
東京国立博物館、江戸東京博物館、東京都現代美術館などは、6月2日(火)から開館します。
事前予約制になっている場合もあるので、来館の際はご注意ください。
人気の展覧会は開催できない?
開館後は、(公財)日本博物館協会が作成した「博物館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」を基に運営していくことになりそうです。
「予防ガイドライン」の中で、特に注目していただきたいのが、注目を集める特別展や人気のある常設展など、多くの来館者や県境をまたいだ人の移動が惹起される展示についてです。
このような展示の場合は、過去の来館実績、収容可能な来館者数などから、美術館・博物館がリスクを評価をします。
リスクを評価した結果、具体的な対策を講じても十分な対応ができないと判断された場合は、展覧会は中止または延期することが示されています。
つまり、人気の展覧会が開催されない可能性があります。
ロンドン・ナショナル・ギャラリー展はどうなるの?
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」は、フェルメール「ヴァージナルの前に座る若い女性」、ゴッホ「ひまわり」などの傑作が来日するため、2020年で特に注目されていた美術展でした。
国立西洋美術館(東京)で3月3日~6月14日開催予定でしたが、開幕が延期となり、再開未定のまま現在に至ります。
<5月30日更新>
その後、東京会場の開催予定が、下記に変更になりました。
開幕日程:未定~2020年10月18日(日)
観られる可能性が上がったことはうれしいことです。
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」は、多くの来場者が見込まれる展覧会のため、人の密集をいかに防止するかが課題となります。
この展覧会は、国立国際美術館(大阪)に巡回し、2020年11月3日~2021年1月31日まで(7月開始予定だったのが変更となりました)開催される予定です。
なお、変更の可能性があるので、最新情報をご確認ください。
存続危機の航空科学博物館がクラウドファンディングを開始
休業要請が続く中、休館中の航空科学博物館(千葉)では、クラウドファンディングで支援を呼びかけています。
サイト上で、航空科学博物館は、次のように苦しい現状を訴えています。
この影響により入館者数は9割減少し、入館料に加え売店・レストランの収入もほぼ0になってしまいました。このままでは当博物館が存続できなくなってしまうという大変危機的状況に陥っております。この状況を何とか乗り切りたいと考え、プロジェクトを立ち上げました。
15日現在では、目標金額1000万円のうち、8割以上の支援が集まっているようです。
今後も、休業要請が続けば、チケット収入を得られないため、資金繰りが厳しくなる美術館・博物館が出ることが予想されます。
1日でも早く、感染状況が改善し、元通りに美術館・博物館に行ける日が来ることを祈ります。