よりよい日々を

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2020年11月に観に行きたい美術展・展覧会

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2020年11月に開催されている美術展・展覧会のなかで、個人的に気になるものをピックアップしました。

特別展「桃山―天下人の100 年」(東京国立博物館)

会期:2020年10月6日(火)~11月29日(日)

URL:https://www.tnm.jp/

※事前予約制

 

安土桃山時代を中心に、室町時代末期から江戸初期までの激動の100年間の美術作品を一堂に集めることで、日本美術史のなかでも特筆される変革の時代の「心と形」を考える展覧会。

狩野永徳《唐獅子図屛風》、本阿弥光悦と俵屋宗達による《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》など、教科書や資料集で見たことがある有名作品が数多く集まります。

 

一般のチケットが2,400円というお高い料金設定に驚きました。でも、盛り沢山なので、二つの展覧会に行った以上の価値があるかも。

 

「石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 青木繁、坂本繁二郎、古賀春江とその時代 久留米をめぐる画家たち」(アーディゾン美術館)

会期:2020年11月03日(火)~ 2021年1月24日(日)

URL:https://www.artizon.museum/

※事前予約制

 

2,400点を超える石橋財団コレクションから、創設者・石橋正二郎の故郷久留米にゆかりのある画家に焦点を当てた本展。永らく非公開だった青木繁「仮面スケッチ」の一部や、坂本繁二郎の絶筆《幽光》など、新たに収蔵した作品が初公開されます。

 

私は、この展覧会で青木繁《わだつみのいろこの宮》が観たいです。

この絵は、夏目漱石『それから』に次のように出てきます。

 いつかの展覧会に青木と云ふ人が海の底に立つてゐる脊の高い女を画(か)いた。代助は多くの出品のうちで、あれ丈が好(い)い気持に出来てゐると思つた。つまり、自分もああ云ふ沈んだ落ち付いた情調に居りたかつたからである。

(夏目漱石『それから』青空文庫より引用)

 

《わだつみのいろこの宮》は、明治40年に開催された「東京府勧業博覧会」で展示され、漱石がそのときに観たことが小説に反映されているのではないかと考えられています。

 

十数年前に『それから』を読んだときから、実際にこの絵を観てみたいと思っていた私でしたが、なかなかチャンスがありませんでした。

当時、所蔵していた石橋美術館は、福岡県久留米市。私の住むところからは遠いのです。

2013年に開催された「夏目漱石の美術世界展」(東京藝術大学大学美術館)でも、この絵は、現物はなく印刷物が展示されていました。

 

福岡に行く機会があったら…なんて思っていたのですが、2014年に、この絵は石橋美術館から東京のブリヂストン美術館に移されていたのですね。知りませんでした。

 

アーディゾン美術館では、「琳派と印象派展」が、2020年11月14日(土)~ 2021年1月24日(日)に開催されるので、同時に観るといいかもしれません。