よりよい日々を

毎日がよりよい日々になるように。本・美術・手芸・素敵なモノや街のスポットについて書いています。

「トキワ荘マンガミュージアム」に行ってきた感想です

2020年夏に「トキワ荘マンガミュージアム」(豊島区)に行ってきた感想です。

トキワ荘は、手塚治虫をはじめ、昭和を代表する漫画家たちが暮らした「漫画の聖地」として知られるアパート。

 

本物のトキワ荘は、1982年に老朽化のため取り壊されてしまいました。

しかし、この度、復元され「豊島区立 トキワ荘マンガミュージアム」としてオープン。

手塚治虫の漫画が好きな私は、これは行かなきゃ!と行ってきました。

 

住宅地を歩いた先に…

都営大江戸線「落合南長崎駅」より、雨の中、歩くこと5分。

閑静な住宅街が続いた先に、大和張りの板塀が!

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もしや、この建物が!と地図を見ると、この建物が「トキワ荘マンガミュージアム」。

シュロの木まで植わってて、いいですね~。

 

復元されたトキワ荘は、南長崎花咲公園の敷地内にありました。

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「トキワ荘の跡地」とは違う場所なので、行くときには注意が必要です。

 

入館には、予約が必要でした

新型コロナウィルス対策のため、私が行ったときには、入館は事前予約制になっていました。

公式サイトより、予約ができます。

tokiwasomm.jp

 

私が予約した時は、1名様につき1回の予約という謎のシステムで、2人で行きたかったので、2度入力フォームを入れて予約しました。

 

急な階段だが、それがいい!

予約の時刻になると、入館できます。

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入館する際、靴を脱ぎます。

靴を脱ぐという行為は、色々面倒ですが、トキワ荘という場としては、靴を脱ぐのは有りだと思います。

 

見学順路としては、まず2階。

写真はないんですが、これまた急な階段なのです。

 

建築基準法で階段の勾配に規制があるため、なかなか古民家のような急な階段って、新築では再現できないようです。

危ないかもしれないけど、急な階段をちゃんと復元してくれて、うれしいです!

 

心配な方には、エレベーターもあります。

勿論、本当のトキワ荘は、エレベーターなんてありません。

「トキワ荘マンガミュージアム」は、トキワ荘が100%復元されているのではありません。

1階なんかも、本当は居住スペースだったところが、展示室になっていたりします。

 

こんな暮らししてたのかー【2階】

トキワ荘の漫画家たちの暮らしぶりがわかる2階

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真ん中の廊下から、左右の部屋を好きなところから、見て行く感じです。

あんまりネタバレしても、行ってつまんなくなっちゃうので、一部だけご紹介します。

 

居室の再現は、ワクワクしますね。

こんな狭い部屋で漫画書いていたのかーと感慨にふけります。

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共同の炊事場、便所なんかも再現されています。

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展示品で一番テンションがあがったもの【1階】

1階は、「ザ・マンガミュージアム」といった感じで、展示室です。

撮影禁止だったので、写真はありません。

 

展示物のなかで、一番テンションがあがったのは、天井板に描かれた手塚治虫の絵でした。

 

これが描かれたのは、1982年のトキワ荘解体時。

記者からトキワ荘が解体されることを聞いた手塚治虫は、トキワ荘の解体現場に赴きました。

そして、手塚治虫は解体現場で、トキワ荘の天井板に『リボンの騎士』のサファイアと自画像を描いて、記者たちにプレゼントしたそうです。

長らく、この天井板は、記者クラブで保管していたそうなんですが、「トキワ荘マンガミュージアム」のオープンにあわせて、豊島区に寄贈されたのだとか。

 

トキワ荘は安普請だったようで、この天井板もコスト削減で、ベニヤ板に木目を描いたものでした。

それでも、手塚治虫は、この天井板が気に入っていたそうで、解体時に、自分用に天井板を何枚か貰って帰ったそうです。

なんかいいですよね。

 

混雑状況・所要時間は?

新型コロナウィルスの影響で、ガラガラなのでは?と思っていたのですが、そんなことはなく、日曜日は、それなりにお客さんがいました

 

2階の居室の再現は、居室の狭い入口から観る感じなので、1部屋につき2人が同時に観る感じです。

入口が狭いので知らない人と2人で観るのは、ためらわれて、他の人が観ていたら後ろで待っていました。

 

空いてる部屋を優先的に観るようにしたので、ほとんど待たずに観れました。

待つ場合も回転が早いので、それほどストレスを感じずに観ることができました。

 

混雑緩和のため、観覧時間の目安は40分とお願いされていました。

しかし、観終わって、気づいたら、1時間弱くらいかかってしまったように思います。

これでも、すごく丁寧に観たという印象はないのですが。

 

しっかりと観るなら、所要時間は1時間半くらいかと思います。

 

行く前に読んでおいたもの

手塚治虫が好きなので、『トキワ荘物語』を事前に読みました。

とても短い話で、5分もあれば読めるような短編漫画です。

短い話ですが、トキワ荘の在りしの姿が描かれています。

トキワ荘の外観・内観が細かく描かれているので、復元されたトキワ荘と比べてみて、「わー、本で読んだのと同じだ!」と面白かったです。

 

『トキワ荘物語』は、『紙の砦』に収録されています。kindleで読みました。

 

あわせて行きたいところ

「トキワ荘マンガミュージアム」とあわせて行きたいところを、3か所紹介します。

 

1.トキワ荘跡地

実際にトキワ荘があった場所は、「トキワ荘マンガミュージアム」より数分歩いたところにあります。

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今は出版社のビルが建っています。

モニュメントがあるだけですが、近くなので、あわせて行きたいところです。

 

2.トキワ荘通りお休み処

「トキワ荘マンガミュージアム」では、グッズの販売はしていませんでした。

近くにある「トキワ荘通りお休み処」で、トキワ荘グッズが購入できます

どんなグッズがあるか気になる方は、公式サイトへ。

www.toshima-mirai.jp

「トキワ荘スリッパ」いいですよね。

 

3.中華料理 松葉

トキワ荘の跡地のすぐ近くにある、昔ながらの中華料理屋さん。

トキワ荘の漫画家たちに愛されたお店だったようで、「トキワ荘マンガミュージアム」の炊事場には、出前を取ったという設定でしょうか、松葉の丼ぶりがあります。

 

ラーメン大好きでおなじみの藤子不二雄のキャラクター「小池さん」のラーメンも、松葉のだという話があり、これは行かなきゃと、行ってみました。

 

しかし、同じことを考えている人は多いのですね。

日曜日のお昼時に行ったところ、すでに7人待ち。

さらに、私たちの後ろにもすぐ人が…。

 

お店はあんまり広くなく、厨房に人も少ないみたいなので、時間に余裕をもって行くといいでしょう。

 

また、店員さんから相席をお願いされるなど、「これは、密かな?」と少し心配になりました。

気になる方は、色々落ち着いてから行くといいでしょう。

 

 

ラーメンと炒飯、焼き餃子を食べました。

ラーメンが昔ながらのラーメンで、とっても美味しかったです。

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感想

昔、いつだったか、「トキワ荘」って、まだあるのかな?と検索してみたら、取り壊されたことを知り、少し残念な気持ちになりました。

 

漫画って、図書館にはあまりないですし、漫画を子どもに読ませたくないとか、どうも、文化として下に見られてしまうというのが続いてきていると思います。

ただ、それは漫画だけではなく、小説だって、俳句だって、その文化が生まれたばかりの頃はそういうものだったんじゃないかと思いますけれど。

 

漫画は、いまや日本を代表する文化の一つです。

価値のないものと取り壊されてしまった「トキワ荘」も、地方公共団体によって、こうして丁寧に復元されて、その価値がちゃんと見直されているのだなと実感しました。

 

手塚治虫、藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫などの、日本を代表する漫画家たちが暮らしていたトキワ荘。

4畳半の狭い居室、風呂無し、トイレ・炊事場共同。

とても恵まれているとはいえない住宅環境でも、仲間同士で切磋琢磨し、描き上げた漫画は沢山の人に読まれ、愛されています。

 

「トキワ荘マンガミュージアム」は、夢と希望を与えてくれる場所だと思います。