映画「君たちはどう生きるか」を観て思ったのが、サギ男(アオサギ)ってなんだったのか?
塔のなかの世界と現実世界を行き来できるし、最後に塔のなかの世界が崩壊しても、インコたちと違い、サギ男だけはそのままの姿なんですよね。
今回は、サギ男について考察しようと思います。
サギ男の人間の姿は、手塚治虫&江戸川乱歩がモチーフかもしれないな、なんて思いました。
アオサギ=不死鳥?
Wikipediaで調べたら、エジプト神話の「不死の鳥ベンヌ」がアオサギの姿で描かれているらしいです。
そして、ベンヌはギリシアのフェニックスの元ネタだといわれているんだとか。
フェニックスは、別名「不死鳥」「火の鳥」ともいわれています。
手塚治虫「火の鳥」
「火の鳥」っていうと、手塚治虫の漫画「火の鳥」を思い出しました。
サギ男は「のぞきや」なんて言われていたように思いますが、「火の鳥」に出てくる火の鳥も悪く言えばそんな感じだったかなぁ? 読んだのが前なのでまた読みたいなと思いました。
そして、手塚治虫といえば、自画像の鼻を大きく醜くデフォルメして描いています。
サギ男の鼻もそれに近い。
でも、手塚治虫のベレー帽を被っていない写真を調べてみると、手塚治虫はサギ男ほどは禿げていないんですよね。
江戸川乱歩の薄毛
サギ男と同じくらい禿げている人で思い出したのが江戸川乱歩(酷い思い出し方)。
サギ男のほうが髪がやや長いものの同じくらいの毛の生え具合、そして、デフォルメされているものの頭のてっぺんが少し凹んでいるような気がします…。
大変失礼な話。ちなみに、江戸川乱歩も髪のことは気にしていたみたいで、「薄毛の弁」というエッセイを書いているらしい。
「君たちはどう生きるか」に出てくる不思議な塔の設定に影響を与えたといわれているのが、江戸川乱歩の小説『幽霊塔』。
この小説は宮崎監督が中学生の頃にお気に入りだったらしいです。
↓のちに単行本の表紙やオマケの漫画まで描いています。
「自伝的ファンタジー」らしい
サギ男の人間の姿は、手塚治虫&江戸川乱歩がモチーフかもしれないな、なんて思いました。
でも、眼鏡をかけた日本人男性で描くと、ファンタジー作品としてキャラクターデザインが難しいから白人男性っぽくなっているのかな…なんて思いました。
美男子の眞人との対比で、サギ男がユニークなルックスに描かれているだけかもしれませんけどね
映画のパンフレットによると、映画「君たちはどう生きるか」は宮崎駿の「自伝的ファンタジー」らしいです。
宮崎駿が小中学生の頃に、手塚治虫や江戸川乱歩の作品に熱中していたことを考えると、「アオサギ=手塚治虫&江戸川乱歩」はあながち間違いではないかも…なんて思うのですが、いかがでしょうか?
ちなみに、パンフレットによると眞人は小学6年生の設定らしいです。
でも、眞人=宮崎駿なら、自分だけ美形に描いてどうよ…と思いますよね、まぁ、主人公だから仕方ないのかな…
つづきます。