宮崎駿監督作品 映画『君たちはどう生きるか』のパンフレットを購入しました。
映画は7月11日に公開開始、パンフレットは8月11日に販売開始という異例の売り方。
今回は宣伝なし、事前情報なしでの映画公開だったので、「パンフレットの後日販売は、ネタバレ防止のためでは⁉」と噂されていました。
しかし、パンフレットに登場人物の紹介や映画製作時のエピソードはなく、本編画像で多く構成され、情報量の少ないものでした。
※以下、映画『君たちはどう生きるか』のネタバレがあります。
パンフレットの構成
パンフレットの内容はこんな感じです。
・映画の概要(宣伝用のコピーみたいなの) 2p
・【本編画像】 2p
・「作品解説」(簡単なあらすじ) 1p
・【本編画像】 3p
・「長編企画覚書 劇場長編を造るか?」(監督の年齢等の問題について) 2p
・アイディアスケッチ 2p
・【本編画像】 22p
・主題歌「地球儀」米津玄師 歌詞 2p
・スタッフエンドロール 2p
本編画像が多く、情報が少ない
『千と千尋の神隠し』のパンフレットと比べると、『君たちはどう生きるか』のパンフレットは出演された方のインタビューなどはなく、その多くが「本編画像」です。
記事を書いている現在、宣伝がないままなので、作品のイメージを確認するには映画を観るか、このパンフレットしかありません。
そのため本編画像は貴重といえば貴重。
とはいえ、公開と同時に販売されなかったこともあり、「パンフレットには、映画の解釈に参考になりそうな情報が詰まっているのでは⁉」と期待していた人たちのなかには、「これで820円はひどい!」という声もあるようです。
↓2023年8月20日販売の雑誌「SWITCH Vol.41 No.9 特集 ジブリをめぐる冒険」に声優インタビュー(山時聡真/あいみょん/木村拓哉)が載るみたいです。
情報が少ないことのよさ
『君たちはどう生きるか』は、宮崎駿の映画のなかでも、とくに説明が少なく、個人の解釈に委ねる作品だなと感じました。
そのフォローをパンフレットでもしないということは、「公式の答えは出さないから、自由に解釈してね!」ということなんだと思います。
作品の解釈をするときに、作者が作品について「ああいった、こういった」はかなりの支配力を持つんですよね。
その支配力が強いあまり、作品の解釈の幅が狭められるという恐れがあり、文学研究なんかでは作者から離れて作品を解釈しようという動きがあります。
作者が考えてもいなかったような可能性が作品にはあるかもしれませんから。
公式見解がないからこそ自由に解釈できるというわけで、このやり方はありだと私は思いました。
実際、観た友人等に感想を聞くと、人それぞれの感想が返ってくるので面白いです。
もし、公式で「こういう作品ですよ」という見方を提示していたら、こんなに人によって違う感想は出てこなかっただろうなと思います。
とはいえ情報もちょっとはある
ここまで言っとおいてなんですが、パンフレットに全く情報がないかといえば、そうでもないんですよね。
たとえば、「大おじ」が「大叔父」or「大伯父」かわからず表記に困っていましたが、パンフレットで「大伯父」だとわかりました。
あとは、アオサギは「サギ男」という名前の設定なんだなぁとか。
改めて、眞人は美形に、サギ男は醜く描かれているなぁとか。
他にも、作品解釈するうえでヒントになりそうなものもちょっとあり、映画にハマった方にはおすすめです。私は読んでよかったなと思います。
反対に、映画製作時のエピソードみたいなものを求めている方にはおすすめできません。