映画『君たちはどう生きるか』を公開日に観ました。その感想です。
※以下、ネタバレあります。
パンフレットが販売されていない&うろ覚えで間違っているところがあるかもしれません。
眞人が危険を冒してナツコを探しに行ったのに、ナツコは「あなたなんて大っ嫌い」と言い放ちます。
ナツコがなぜ、眞人に「大嫌い」と言ったのかについて考察してみようと思います。
眞人が塩対応すぎてしんどい
このシーンまで、ナツコは眞人にずっとよくしてくれていたと思うんですよね。
引っ越してきた眞人にシベリアをお茶菓子に出したり、
アオサギによって異界に連れて行かれそうになった眞人を鏑矢を射って助けたり、
自分がつわりで辛いときにも怪我をした眞人を心配し、会いたがったりしています。
そんな親切なナツコに対して、眞人はずっと塩対応。
まぁ、お母さんが亡くなった翌年に父親が再婚して、その再婚相手が身ごもっていたら、ぐれたくなる気持ちはわかります。
ナツコにとっては、結婚相手の連れ子というだけでなく、姉の遺児でもある眞人。
ナツコが眞人に誠意を尽くして接していても、眞人の態度がずっと悪いんじゃ嫌な気持ちにもなるなと。
つわりで寝込むほど体調が悪いときでもあるので、なおさら。
眞人は側頭部に大怪我して帰ってきたのに本当の理由を言わないし、「もう、この子どう接したらいいの…⁉」状態。
当時の時代背景から、ナツコが自らの意志で眞人の父と結婚したかも謎です。
お家の存続のために仕方なく、亡き姉の夫と結婚した可能性も…
かなり我慢していたナツコが「大おじ」が創った世界で爆発し、「大っ嫌い」と眞人に言い放ったのかなと最初思いました。
「大嫌い」は優しい嘘?
ネットで他の方のレビューを読むと、ナツコの「大嫌い」は「危険な場所にいる眞人を現実世界に追い返すための優しい嘘」という解釈をされている方が複数いて、なるほどなぁと思いました。
同じシーンで「なぜ、こんな所に来たの? 帰りなさい」とも言っています。
確かに、ナツコはここは来るべきところじゃないことを、眞人に知らせているんですよね。
ただ、「大嫌い」って相手が自分に好意を抱いている場合に有効な攻撃だと思うのです。現実世界の眞人の塩対応によって、ナツコは眞人が自分のこと好きだとは感じてないと思うんですよね。
眞人に「大嫌い」って攻撃が通用するとナツコは思うかな?と疑問に思いました。
「危険を冒して助けに来るってだけで、かなり好きじゃん」って考えもあると思うので、2回目観るときはこのシーンをよくチェックしようと思いました。
その後、2回目を観ました。
「大嫌い」と言った後に眞人に「ナツコお母さん」と呼ばれ、ナツコが優しい表情に戻ったのが印象的でした。
そして、「眞人さん、危ない!」だったか、それまで「あなた」呼びだったのが「眞人さん」に変わったような…(記憶があやふやですが)
ナツコは母として認めてくれない眞人に対して、愛憎入り混じった感情を抱いていたのではないかなと思います。
それとも、「ナツコお母さん」と呼ばれるまで、石の力で我を失っていたのか?
「石が眞人を追い出したかったために、石の力でナツコに眞人を追い払うようなことを言った」可能性もあるなと思いました。
「大嫌い」は眞人が言われたい言葉だった?
前回、映画『君たちはどう生きるか』は「亡き母と瓜二つの後妻に恋する物語⁉」という記事を書きました。
眞人がナツコを異性として意識してしまいそうなところを理性で抑えていた可能性を考えると、「大嫌い」は、もしかして眞人がナツコに言ってほしい言葉だったのでは?と考えました。
↓ 詳しくはつづきます。