民藝好きに行ってほしいお店【第3弾】。
今回ご紹介するのは、「d47」(渋谷ヒカリエ)です。
前回までは、銀座たくみ、備後屋と「ザ・民芸店」とも呼ぶべきお店を紹介してきました。
今回紹介する「d47」は、民芸を主軸をしたお店ではありませんが、全国の工芸品を扱っているので、民藝好きにおすすめです。
渋谷ヒカリエ8階にあり、入りやすい雰囲気のところなので、若い人でも気軽に工芸品を見ることができますよ。
「d47」=47都道府県×デザイン
「d47」の、dはdesin(デザイン)、47は47都道府県を表します。
「d47」には、
47都道府県とデザインをテーマにしたミュージアム「d47 MUSEUM」
工芸品やD&DEPARTMENTの書籍などを購入できる「d47 design travel store」
47都道府県と四季を感じることをコンセプトにした「d47食堂」
があります。
d47 MUSEUM
ミュージアムというより、ギャラリーくらいの規模なのですが、無料で観られますし、とっても楽しいんです!
その時々で、テーマが違った展示が観られます。
47都道府県のものが揃うこともあれば、特定の県がテーマになったり。
リンクを載せたのは、過去に開催された「47あつらえ展」。
「あつらえ」をテーマに、その土地らしさが感じられる品々が展示されていました。
「その土地らしさ」って、民藝に通じる考え方ですよね。
面白いのは、人間国宝みたいな人が作ったものじゃなくて、普通に市販されているようなものが展示されていること。
土瓶、鞄、ストールとか。
手に入りやすさも、民藝に近い感じがあるなと思います。
展示品の中には、販売しているものもあります。わくわくしますね。
d47 design travel store
「d47 MUSEUM」の横にある、「d47 design travel store」では、いろいろ売られています。
D&DEPARTMENTのトラベルガイドや、工芸品などに関する書籍。
よさげな布の服やバッグなど。
やちむんなどの陶器、漆器。
ご当地の調味料や食品などなど。
とくに、布ものに、私は心が惹かれました。
リンクを載せたのは、生地の産地で保管されていた生地見本を再利用したサコッシュ。
私が訪れた日は、たまたま入荷したばかりみたいで、たくさんの種類がありました。
どれもそれぞれよくって、迷う…!
自分用と家族用に2個購入しました。
どちらも、これが洋服だったら、結構お高かったんだろうなと思う布が使われていました。
お店の方によると、今の技術では難しいような布もあるんだとか。
ミュージアムとショップの他にも、たまに講演会をやっていたり、金継ぎなどの体験会をやっていたりするようです。
「d47食堂」には私は行ったことがないのですが、美味しそうで、次行くときは行ってみたいものです。
D&DEPARTMENTとは?
「d47」を運営しているD&DEPARTMENTについて、少し書こうと思います。
D&DEPARTMENT PROJECT(ディアンドデパートメントプロジェクト)は、2000年にデザイナーのナガオカケンメイによって創設された、「ロングライフデザイン」をテーマとするストアスタイルの活動体です。47都道府県に1か所ずつ拠点をつくりながら、物販・飲食・出版・観光などを通して、47の「個性」と「息の長い、その土地らしいデザイン」を見直し、全国に向けて紹介する活動を行っています。
(D&DEPARTMENT公式サイトより引用)
D&DEPARTMENTが、テーマにしているのは、民藝ではなく、ロングライフデザインです。
ただ、デザインだけでなく、地域性を大切にされていますし、「d47」で扱っているものを見ると、民藝と結構近いんじゃないか?と思うところがあります。
実際に、民藝との近さについては、D&DEPARTMENTを運営している方々自身が、感じているようですね。
D&DEPARTMENTから発刊している、高木崇雄『わかりやすい民藝』には、そのあたりの話があります。
↓読んだ感想は過去記事に。タイトルどおり、民藝のことがわかりやすいのでオススメです。
購入品の紹介
「d47」へ前に行った時の購入品を紹介します。
d design travel 群馬
D&DEPARTMENTが出している旅行ガイドです。
他の県もあったのですが、群馬を旅行する予定があったので、群馬にしました。
私が読んでいて、他の旅行ガイドと違うなと思ったのは、デザインとか好きそうな人が好きそうな本だなという感じのところ。
私は旅行に行くとき、よい建築とか見たいなという気持ちが強いので、これはうれしかったです。
それと、地域に根差した感じ、群馬だと上毛かるたやスバル自動車が出てくる感じや、長文でその土地を紹介するところが好きです。
あと、紙面のレイアウトが、旅行ガイド特有のガチャガチャした感じがないのもいいですね。あれ誰得なんでしょうね。
他には、これはメリットにもデメリットにもなると思うのですが、改訂をすぐにはしないところが、他の旅行ガイドと違うところでしょう。
他の旅行ガイドだと、おそらく1年または2年で改訂をして、「2020年版」「2019-2020年版」というふうに売っているところが多いと思います。
D&DEPARTMENTの旅行ガイドは、一部書籍では改訂もありますが、刊行から数年経っても、改訂してないのがほとんど。
ロングライフデザインがコンセプトだから、10年くらいは大丈夫って考えなのかもしれません。
そうは言っても、最新の素敵なスポットも気になるので、そこは、自分でがんばってInstagramなどで検索しましょう。
↓Amazonでも購入できます。
再利用した布のサコッシュ
写真ではよくわからないかもしれませんが…
ピンク、黄色、緑、青で、少し光沢感があります。
そして、植物の模様は、凹凸があります。
何この布…!と思った訳です。
一体どんな服に使われたのか気になりますが、私には縁がなさそう…。
やや派手ですが、サコッシュは小さいし、差し色にいいかなと購入。
サブバッグとして、使用しています。
以上、「d47」やD&DEPARTMENTについて紹介しました。
書いていると行きたくなりますね。展示観るだけでも楽しいので、ヒカリエに行ったときには是非。
「民藝好きに言ってほしいお店」今回は渋谷でしたが、次は、新宿のお店を紹介しようと思います。
↓前回の記事