よりよい日々を

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小林賢太郎がパフォーマー引退。もうラーメンズは生で観られないのか…

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2020年12月頭、ラーメンズの小林賢太郎が、「パフォーマー」を引退したことをニュースで知りました。

「好きな芸能人は?」と誰かに訊かれたら、ラーメンズと答えるか、エレファントカシマシと答えるかで迷う私は、結構、ショックです。

  

千葉!滋賀!佐賀!

私がラーメンズを知ったのは、小学校の高学年の頃、母親がラーメンズのDVDを借りてきたことがきっかけでした。

「この人たち、テレビに出てないけど、流行っているらしい」と、ミーハーな母はどこかから情報を仕入れてきたみたいです。

今から考えてみると、その頃のラーメンズは、年に複数回の公演を行う絶頂期だったのだと思います。

 

DVDを観た私はすぐに、ラーメンズの独特の世界が好きになりました。

 

小学生の頃、クラスメートの間で、2ちゃんねるのFlashが流行っていたのですが、「千葉!滋賀!佐賀!」の元ネタがラーメンズなのを気づいたのも、この時だったでしょうか。

 

「面白いなー、こういうの好きだなー」と思いながらも、田舎の子どもで情報もなく、そのときは「公演を生で観てみたい」といった欲求を抱くことはありませんでした。

 

ラーメンズをリスペクトする落研部員

その後、高校生になり、改めてラーメンズのDVDを観て、「やっぱり、面白い!」とハマりました。

 

私以外にも、同じ高校にラーメンズ好きの人がいました。

彼は落研で、ラーメンズをリスペクトして作ったオリジナルコントを、毎年、文化祭で仲間と一緒に披露していました。

知っている人が観れば、省略されている舞台装置やコントの雰囲気など、ラーメンズっぽいコントでした。

ある教員に「おまえたちのやっているのは、落語でもなければ、コントでもなくて、演劇だ」と言われたりもしたようです。

ラーメンズの影響は感じるけれど、コントの内容はちゃんとオリジナルで、笑いも起きるし、講堂の席はほとんど埋まっていて人気でした。

私も彼のコントが好きでした。

 

私自身には彼のようなバイタリティはありませんでしたが、「いつかラーメンズの公演を生で観れたらな…」とぼんやりとした気持ちを抱くように。

 

みんなが好きなラーメンズ

私が大学に進学し、東京へ遊びに行くようになった頃には、ラーメンズは単独での活動に移行していました。
「まぁ、解散したわけではないのだから、いつか観られるでしょう」という気持ちでおりました。

 

大学でも就職先でも、何かの折に複数人の前で、ラーメンズの話をすると、

「あー! 私もラーメンズ好き!」

とか、

「俺の友達に、ラーメンズ大好きな奴がいて、(私に)会ってみたいって言ってたんだけど」

など、誰かしらのレスポンスがありました。

 

そんなこともあり、私は、

「今でも世の中には私以外にも、ラーメンズ好きな人ってたくさんいるんだな」

「こんなに好きな人がいるのだから、きっといつかまた、ラーメンズの公演やってくれるだろうな」

「人気でチケット取るの大変だろうけど、がんばろう」

という気持ちをこれまで持ち続けていました。

 

でも、今回、小林賢太郎が「パフォーマー」引退ということで、その夢は叶わなくなったのです…。

 

お二人に会うチャンスを逃す

ラーメンズの小林賢太郎が、「ラーメンズの二人」としてではなく、公演の活動を続けていることは知っていました。

ただ、これはこれで素晴らしいのだろうけれど、私が観たいのはラーメンズなんだよなという気持ちがムクムクと出てきてしまうのでした(エレ片についても同じく)

それでも、一度、家族にカジャラの公演に誘われましたが、予定が合わずに行くことができませんでした。

 

また、片桐仁に会うチャンスも逃してしまっています。

今年の3月に東京ドームで行われる予定だった「粘土道20周年記念 片桐仁創作大百科展」。

この展覧会では、一般公開前の3日間、片桐仁と来場者が一緒に作品を作るという特別なイベントが予定されていました。

「あの片桐仁に、生で会える!」と、私は参加券を購入したのですが、新型コロナウイルスの感染拡大により展覧会そのものが中止に。

 

今回の引退の話は小林賢太郎なので、ちょっと話はズレましたが、結局、お二人とも今まで生で観ることはなく過ぎてしまいました。

 

ラーメンズで好きなコントは?

もう、生でラーメンズの公演を観ることは叶わなくなってしまったのですが、現在、有難いことに、YouTubeでラーメンズの多くのコントを観ることはできます。

ちゃんと公式で配信されているやつです。

 

ラーメンズで一番好きなコントはなんだろう?と考えると、すぐに頭に思い浮かぶのが、「名は体を表す」「条例」です。

 

「名は体を表す」

 

「条例」

 

「名は体を表す」は、ラーメンズの言葉遊びの面白さが溢れているコントで好きです。

他にも、「同音意義の交錯」「50 on 5」「ドラマチックカウント」など、どこからこんな発想が生まれてくるのだろうと思います。

 

「条例」は、ミュージカル条例が特に好きですね。ラーメンズのコントで出てくる歌、大好きです。「縄跳び部」「路上のギリジン」「初男」など、曲が耳に残るんですよね。

 

あと、「バニー部」も好きです。動きだけでも笑わしてくれます。他で動きが面白いもので思い出すのは、「イモムシ」「たかしと父さん」「片桐教習所」。

 

キャラクターが楽しいコントも好きです。「エアメールの嘘」「いろいろマン」「バッハ」とか。

 

地上波だと放送が難しいんじゃないかという毒があるのも好きですね。「本人不在」「プーチンとマーチン」とか。

挙げていくとキリがないので、このくらいにしましょう。

 

ラーメンズのコントはツッコミ不在で、「バカ二人」がわいわいやっているのを観るのが私は好きです。

 

ラーメンズの代わりを探して

私がラーメンズを知った前後くらいから、テレビ番組「エンタの神様」が人気になりました。

最初の頃は、Mr.マリックが手品を披露するなど、「総合エンターテインメント番組」でしたが、やがて、お笑い芸人がネタを見せる番組へシフトしました。

私自身も、「エンタの神様」初期の頃、「早くコントが観たいなー」と思いながらリモコンを握っていたのを覚えています。

 

「エンタの神様」では、今、ニュースを騒がしているアンジャッシュや、今でも精力的に公演を行っている東京03が好きでした。

 

その後、いろいろなネタ見せ番組を観るようになって、それぞれのお笑い芸人のよさや面白さを感じることはあっても、私にとって、ラーメンズの代わりとして心を満たしてくれる存在には、今日まで出会うことはありませんでした。

 

お笑いだけでなく、言葉遊び、音楽、動き、キャラクター、独特の世界観。どこからこんな考えが出てくるのだろうという発想力。ツッコミ不在でボケがどこまでも膨らんでいく感じ。どんなキャラクターを演じても消えない二人の個性。

唯一無二の存在で、代わりはいないのでした。

 

パフォーマー引退。これからどうする?

今回の小林賢太郎の引退は「パフォーマ-」という肩書きをはずしたという話で、劇作家・演出家としては、これからも活動されるようです。

まだまだ、これからも小林賢太郎の世界を観ることはできるはず。

 

今更ながら、これまで食わず嫌いなところも少しあった、小林賢太郎の「ラーメンズの二人」以外の活動を改めて観てみようと思います。

 

まだ47歳とのことですし、能力のある完璧主義な人だけに、宮崎某監督みたいに「辞める辞める」とか言っても「やっぱり、俺がやる!」ってならないかな、とちょっと期待しています。