映画『青葉家のテーブル』を公開日に観てきました。
久しぶりに訪れた映画館は人が全然いなくて、びっくりしましたが、『青葉家のテーブル』のスクリーンにはちゃんとお客さんが入っていて、ほっとしました。
「私って何をしたいんだろう?」と、もがく優子に自分を重ねながら観ました。
(以下、映画のネタバレがあります。)
今も昔も模索中
私も、優子くらいの年の頃、やりたいことを何か一つにしぼることができなくて、進路の希望がはっきりとしている同級生を羨ましく感じていたことを思い出しました。
そして、何か好きなものがあっても、自分より上手な人や詳しい人がいて、胸をはって好きだと言えなかったことも思い出しました。
また、大人になった今の私は、あれこれと趣味が増えていて、優子のように自分に自信がないことの表れなのかもしれないなと思いました。
「〇〇をやっている人」になりたいからやるのではなく、自分の好きを大切にしたいなと思います。
どうして知世は、優子を春子に預けたのだろう?
私の見落としがあるのかもしれませんが、この映画で一つ疑問だったのが、どうして知世は長年連絡を取っていない春子に娘の優子を預けたのだろう?ということ。
春子は自分たちの夢を実現している知世のことがずっと気になっていたようですが、知世も春子のことが気になっていたのかなと。
二人の思い出の品をちゃんととってありましたし。
多分、あの段ボールを家に置くと、優子に見られてしまう恐れがあったから、お店に置いていたのだと思います。
「はぁちゃんライス」の「はぁちゃん」って誰のことだろう? 優子ではないし、従業員の男性でもないし、とずっと気になっていたのですが、まさか春子さんとは!(ってことでいいんですよね⁉)
最初、食にこだわりがありそうな知世の娘の優子が、青葉家での食事を「美味しい! 美味しい!」と絶賛していることに違和感があったのですが、後半まで観て、ああ、料理は春子さんが上なんだなと納得。
春子さんのほうが料理は上手でも、知世は一歩踏み出す勇気があったのですよね。
リクが自分たちがカバーした曲をアップロードする勇気がなかったように、春子さんも知世と一緒に物件の内見へ行く勇気がありませんでした。
一歩踏み出す勇気が、人生を変えることってあるよなと思います。
それでも、春子さんが今の暮らしをとても気に入っているようでよかったなと思いました。
有名人になることだけが、よい人生じゃないですものね。
春子さんがかわいい、与田ちゃんがよい
今回は春子さんの素っぽい部分が描かれ、かわいく感じました。
知世の悪口を言うところが、リアルな口ぶりだけれど、かわいい。
演じている西田尚美さんのさじ加減が、ちょうどよいのかもしれません。
あと、春子さんが花を摘んで知世に見せているシーンがかわいかったです。
他の登場人物だと、ソラオに仕事があってよかった!と思いました。
キャベツを手でちぎったり、知世を真似て息を深く吸う、めいこもかわいかったです。
新しい登場人物の中では、上原実矩さん演じる与田ちゃんがよかったです。
映画『下妻物語』の土屋アンナさんを思い出しました。
目力がすごい。真夏の生足&ブーツが尊いです。
私の好きな片桐仁は、麦茶を持ってくるだけのお父さんの役かと思ったら、やっぱり、しっかりと出番がありました。
ただ、あの音は、どう聞いても「この世の終わりの音」じゃなくて、ギターだよね…と思います。「リク、君は音に敏感じゃないのかい…?」
「与田には言わないで」は、すれ違い?
瀬尾が「与田には言わないで」と言ったのを、優子はキスに対してだと思ったようですが、私は瀬尾が「早く大人になりたい!」と言ったことに対してだと思いました。
なんとなく、瀬尾は与田に恋愛感情はなかったのでは、と推測します。
また、リクは優子ちゃんのことが好きだったのかな?と思います。
お寺から家に帰るときに、リクは、自分たちの録音した曲を聴きながら寄り道して帰ろうと優子ちゃんを誘ったのに、断られてしまいました。
逆に、あんなにかわいい優子ちゃんの好意をどうともしなかった雄大瀬尾。お前はなんなんだ。もしかして、本当に与田ちゃんのことが好きだった?
物語の最後
最後、春子さんが、春子さんらしくない派手な柄のエプロンを着ていましたね。
知世に、「冒険しないと!」と言われたのを受けてなんでしょうね。
続編があれば、春子さんは自分のお店を開くのか?
そうでなくても、日々、ちょっとした新しいことにチャレンジして、楽しめればよいのかもしれません。
また、最後、優子は、知世に与田との交換日記を見せながら、話をしようとしています。
ずっとうまく話ができなくなっていた知世と優子が、いろいろな話ができるようになっているといいなと思いました。
母も娘も、お互いに自分のよいところを見せようと無理をしていたという点では、似たもの同士だったのだなと。
それと、このシーン、エアコンの室外機が黒く塗られていてかっこいい!と思いました。
美味しいものが食べたくなる
以上、長々と感想を書いてきました。
書き忘れたところでは、やっぱり、「北欧、暮らしの道具店」が作った映画だけあって、インテリアが素敵でしたねー。
青葉家はドラマと同じ雰囲気で、新しいところでは、知世のお店「満福」や知世のおうちがよかったです。
「満福」のロケ地は、五反田の「東京豆漿生活」(映画用にだいぶ変えているようですが)。
前に、人から「絶対、このお店好きだと思う」と言われたことがあるお店で、ますます行きたくなりました。
映画の中に出てくる料理も、どれも美味しそうでした。
映画のパンフレットにレシピが載っているので、「はぁちゃんライス」作ってみたいと思います!