2020年6月に、マーガレット・ハウエルとMHLがセールを廃止する(アウトレット店舗を除く)というアナウンスがありました。
それを、2021年6月に撤回したというお話です。
唐突なセール廃止のお知らせ
2020年6月、マーガレット・ハウエルとMHLから「セール廃止」のお知らせがありました。
マーガレットハウエル、MHLが、今シーズンからセール中止だって…。
— よりよい日々を (@yoriyoihibiwo) June 23, 2020
突然どうしたんだろう?
理由は書かれていません。
たしかに、この前買った服がセールになっているのは腹が立つけど、
売れない服はどうするんだろう?
アウトレットの店、増やすのかな?
それとも高級路線に変更? pic.twitter.com/MF4S8Cx0fv
公式サイトでは「セール廃止」を決めた理由は明記されていませんでした。
セール廃止の理由は?
「セール廃止」の理由は、マーガレット・ハウエルとMHLを運営しているTSIホールディングスが2020年7月に行った「第1四半期決算説明会」での質疑応答の中に、答えがあるかもしれません。
上田谷社長が、「アパレルビジネスの理想像」について質問されたのに対し、
会社によって戦略はいろいろとあると思います。ただ、われわれはやはり、無駄に作って無駄に売っていることはよろしくないと思っておりますし、するべきではないというので。基本的にはお客様が必要とする量だけ作って、全て定価で売ると、量を追い求めないのが理想形です。理想と思っているだけではなくて、本当にそうしようと思っています。
(株式会社 TSI ホールディングス「2021 年 2 月期 第 1 四半期決算説明会」資料より引用)
というように、「定価で売ること」を理想としていることを話しました。
同じ説明会で、マーガレット・ハウエルのセール廃止について、上田谷社長は、
マーガレット・ハウエルは今期、SS の商品のセールはしません。きれいに販売できるものは秋に持っていく。それから、来 SS シーズンに持っていきます。なので、基本全商品セールをしないことを決めました。マーガレット・ハウエルが、恐らくわれわれの中で一番先にプロパー(引用者注:定価)消化率8割以上を短期で達成するブランドになると思います。
(株式会社 TSI ホールディングス「2021 年 2 月期 第 1 四半期決算説明会」資料より引用)
と答えています。
「定価で売る」ビジネススタイルを実現するために、セール廃止を行ったみたいですね。
アパレルのセールありきの商売ってどうにかならないものか
確かに、マーガレット・ハウエルに限らず、アパレルのセールありきの商売ってなんとかならないのかなと思います。
たとえば、定価10,000円のワンピースが、セールの時は6割引きで売られています。
そういうのに慣れてしまうと、ファッションに対して意識の低い私は、定価で買うのがバカらしいような感じがしてきてしまいます。
また、オンラインで服を購入するさい、服の質って実際に見てみないとわからないから、「値段が高い=質がよい」という勝手な期待で、「定価が安いもの」より「定価が高くてセールで安くなっているもの」を私は買ってしまいがちです。
でも、それって変な話だと自分でも思います。そもそも定価が適正価格じゃないかもしれないので。
マーガレット・ハウエルとMHLと私個人の事情
マーガレット・ハウエルとMHLの私個人の話を。
マーガレット・ハウエルとMHLは好きなブランドではあるけれど、なんでもプロパーで買えるかというと、私の懐事情ではそうではありません。
MHLは定価で買ったことがあるけれど、マーガレット・ハウエルは、正直なところ、アウトレットかセールでしか買ったことがないように思います(あとは、服を買うのが生きがいの元アパレル店員の母が着ないやつをくれる)。
セール廃止のお知らせを見たとき、少し残念でしたが、自分の身の丈にあった服を着ようと思ったのでした。
具体的には、「MHLは気に入ったものがあれば定価で、マーガレット・ハウエルはアウトレットのお店をたまに見てみようかな。でも、最近あまり出かけないし、新しい服はしばらく買わなくていいかも」という感じです。
結局、この1年、たまったポイントを使うために雑貨を1点購入しただけで服は買いませんでした。
また、コロナ禍でただでさえアパレルの業績が低迷しているのに、セール廃止なんて取り組みして大丈夫だろうか、と少し心配したのでした。
え?セール廃止撤回するの?
2021年6月、マーガレット・ハウエルとMHLから「セール開催」のお知らせがありました。
(画像は、マーガレット・ハウエル公式サイトより引用)
「えー!セール廃止するんじゃなかったの?」とびっくり。
セール廃止から1年であっさり再開したのでした。
このお知らせの前から予兆のようなものはあって、会員限定のシークレットオンラインセールがありました。
その際も「あれ?やるんだ」と思ったのです。
そのセールでは、気になったカーディガンがすぐに完売していました。
中の人たちも、セールの強さを痛感したのかもしれません。
また、2021年3月に、TSIホールディングスの代表取締役が交代したのも方針転換の一因なんじゃないかと推測します。
ずっとセールをやってきたのに、いきなり、「セールやめます!」だけをやってもなかなか難しいんじゃないかと思います。
コアなファンはついていくでしょうが、それ以外を捨てる覚悟があるのかどうか。
私自身も今回の件で、「アパレルのセールって変! 定価で売買するべき!」という自分の理想と、「定価が高い服を値引きで買いたい」という自分の本心の矛盾を見つめることになりました。