「電気ブラン」というお酒を飲んだことがありますか?
文学作品で出てくる「電気ブラン」
酔いの早く発するのは、電気ブランの右に出るものはないと保証し…
(太宰治「人間失格」)
太宰治「人間失格」や三浦哲郎「忍ぶ川」、森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」(偽電気ブランでしたが)などの小説に登場し、名前だけは知っていて、気になっていたお酒でした。
「電気ブラン」という名から私がイメージしたのは、地下室の薄暗い部屋で、フラスコ入った液体に電気を流してお酒を作る?というような、なんだか怪しげなものでした。
「電気」はハイカラ?
私の妄想はさておき、
「電気ブラン」は実在するお酒で、浅草にある神谷バーの創業者、神谷伝兵衛が発案したブランデーをベースにしたカクテルです。
「電気ブラン」が生まれた明治の頃は、
まだ電気が珍しかったことから、新しい、ハイカラなものの名称に「電気」とつけることが流行していました。
「電気」にブランデーの「ブラン」を合わせたのが、「電気ブラン」の名前の由来です。
ですから、電流をかけて…みたいなことは、実際には無いみたいです(ちょっと残念)。
今でも浅草で飲めるし、買える
「電気ブラン」が生まれた「神谷バー」は、令和の今も浅草で営業されています。
いわゆる、バーテンダーのいるバーというよりも、ビアホールというのかな?という感じです。
私がお昼時に覗いたときには、ご年配の方を中心に大盛況でした。
「電気ブラン」はお店でも、勿論飲めますが、
お店の横に、小さな売店があり、そこで瓶(360ml)に入った「電気ブラン」を650円くらいで購入しました。
実際に飲んでみました…
実際飲んでみた感想は…
まず、度数が高いです!
だって、40度だもの、そりゃそうだろうという感じですが。
味は、ブランデーベースですから、やはり一番似ているのはブランデーですが、ブランデーのよい香りはあまりしません。
他の方の口コミを見ると、甘いと表現されている方がいましたが、
辛いお酒に比べれば、たしかに甘いです。
ただロックで飲むと度数が高いので、それどころじゃないです。
「人間失格」で書かれた内容の影響のせいか、度数が高い割には酔わない感じがしました。
割ると飲みやすく、やたら飲んでしまっても、二日酔いでだるくなることはありませんでした。
文学作品に出てくる憧れのお酒、飲み物
文学作品には心惹かれるお酒が多くあるような気がします。
葡萄酒、アブサンとか。
「ワイン」と言ってしまえば普通だし、
アブサンは今、成城石井で見かけることもありますが、なんだか遠い世界の飲み物のようで心惹かれるのです。
もちろん、お酒は20歳からですよ。
「飴湯」なるもの
お酒ではないですが、京極夏彦の小説で読んだのか落語で知ったのか
「飴湯」という飲み物に憧れていたことがありました。
飴湯は、江戸や明治には、関東でも飲まれていたようですが、
やがて飲まれなくなりました。
一方、今でも関西では、「飴湯」を冷やした「ひやしあめ」なる飲み物が流通しています。
関西の自販機で「ひやしあめ」を見かけて飲んだことがあります。
一口飲み、甘い飲み物があまり得意でない私は、その甘さに頭が痛くなり、残りをすべて、そのとき一緒にいた甘党の人にあげました。
憧れのままのほうがよかったのかもと思いながらも、たまたま見かけると試したくなってしましますね。
漱石の「笹飴」は怖い
漱石が愛し、「坊ちゃん」にも出てきた「笹飴」という飴を舐めたこともありました。
美味しかったのですが、
あとにも先にも、あんなに怖ろしい思いをして、飴を食べたのは、あの時だけです。
「笹飴」は非常に粘着力が高く、噛むと歯が取れる危険があるからです。
注意書きにも、「歯にくっつきやすく、噛まずにお召し上がりください」と書かれていました。
そんな感じで、憧れの食べ物・飲み物は、結果はどうであれ、試してみたくなるものですね。
「偽電気ブラン」が出てきます。
主題歌は、アジカンこと、ASIAN KUNG-FU GENERATIONです。
星野源、忙しかったのかな? でも、この曲はとってもいい曲ですよ。