受賞をねらえる、上手な作文の書き方について書きます。
小学生5年生・6年生、中学生向けです。
「作文、何から書いていいのかわからない!」という人でも、「ああ、こうやって書けばいいんだな」となるコツを教えます。
私は小学校から高校まで、作文が得意であったと、自分で思っています。
こんなエピソードがあります。
- 中学生のときに、文化祭で作文を読む代表に選ばれる。
- 高校での作文の評価が「A+」。先生の感想は「こんなすばらしい作文を読んだことがない」。
- 小学生のとき、学級便りの作文コーナーにほぼ毎回、私の作文が掲載される。
- 作文コンクールで数回受賞。
そんな私が、誰にでもできる「上手な作文を書くコツ」をお伝えします。
作文は、何を書くのかが一番重要なので、テーマ決めの話が中心です。
なによりもテーマが大切
作文には、「運動会」などとテーマが限られているものと、特にテーマがないものがあります。
テーマがないものの場合、何について書くかが、とても大切です。
「心を動かされたこと」を書こう
どのようなテーマを選ぶべきかというと、「あなたが、学校や家庭で、心動かされたことや勉強になったこと」を書きましょう。
よりくわしく説明すると、次のことを作文に書きます。
- どのようなできごとが、あったか。
- そのできごとで、「自分がどう成長したか。どう思ったか。これからどうしたいか。みんなに何を伝えたいか」。
たとえば、
できごと「足を骨折して松葉づえの生活をしていたときに、周りの人に助けてもらった。」
↓ ↓ ↓
感想「助けてもらってうれしかった。今度は自分が困っている人を助けたい。」
というふうに書きます。
学校や家庭で起きたことなどで、自分が「何か心動かされるようなこと、勉強になったこと」がないかを思い返してみましょう。
「運動会」などテーマが決められている場合でも、そのテーマで、「何か心を動かされたこと、勉強になったこと」がないかを考えてみましょう。
「先生がよろこぶこと」を書こう
よい評価を受けたいなら、自分が書いた作文を先生が読んだときに、先生がよろこぶような内容がベストです。
作文コンクールの場合は審査員が読みますが、先生と同じような人たちと考えて、OKです。
ほとんどの先生は、生徒が成長することを期待しています。
そのため、作文に「私は、このできごとで、こういうふうに成長しました」と書くと、先生受けがいい傾向(けいこう)があります。それに、話としてまとめやすいです。
社会や学校のルールについて、否定(ひてい)するような内容の作文は、よい評価をもらうのが難しいです。
たとえば、「掃除は自分たちでやるのではなく、お金を払って、誰かにやってもらうほうがいい」という作文です。
そのような作文を先生が読んでも、きっとよろこびませんよね?
先生たちが好きなのは、「協力・平和・ルールを守る・思いやり・努力・感謝」です。
自由に書いてはいけないの?
もちろん、作文は自由に書いてOKです。
でも、本当に自由に書きたいのなら、だれにも見せない自分のノートに、好きなことを書くほうが、ずっと自由に書けます。
だれかが読む文章を書くときは、それを読んだ相手が「これを読んでよかった」と思うものを書くほうがいいと私は思います。
作文も、先生や周りの人が読んで、よろこんでくれるような内容を書いてみましょう。
ウソを書くのではなくて、どうせなら、自分のよいところを伝えようという感覚です。
作文のテーマ一覧
今までの文章で、「私はこれで書く!」と、すぐにテーマが見つかった人は、次の「設計書を書く」のところへスクロールしてください。
今までの文章を読んでも、「何を書けばいいかわからないな」という人は、次の【作文のテーマ一覧】から考えてみてください。
【作文のテーマ一覧】
- 学校行事(文化祭・運動会・合唱コンクール・社会科見学など)
- 部活動・委員会活動
- 地域の人との交流
- 学校の校風やルールについて思うこと
- 自分の住む地域について思うこと
- 習い事や自分の好きなこと
- だれかに親切にしてもらったこと/親切をしている人を見たこと
- 家族から、仕事・昔のことなどを聞いた話
- 外出先で見たこと・聞いたことで、心動かされたこと
- 将来の夢/10年後の自分への手紙
- 戦争、環境問題、沖縄の基地問題などの社会問題
- 読書感想文
これらのこと以外でも、なにか、自分の心が大きく動かされたことがなかったか、もう一度考えてみましょう。
学校のことではなくて、「家族で行った登山で、風景がきれいだった」ということでもOKです。
もし、私がその内容の作文を書くなら、「山の美しい環境を守るために、一人一人ができることは何か」をプラスします。
設計書を書く
テーマが決まっても、いきなり作文用紙に書きません。
まずは、どんなことを書くか設計書を書きます。
作文用紙以外の紙に、「作文の構成」を簡単に書きます。
たとえば、こんな感じです。
【タイトル】
「足を骨折して気づいたこと」
【できごと】
・学校の階段から転んで、足を骨折。
→痛かった。歩くのが大変。
・行った病院ですごく待たされた
→嫌だった。
・移動教室のとき、教科書が持てなかった。
→鈴木さんと田中さんが、私の教科書を持って、一緒に音楽室へ行ってくれた。
→助かった。うれしかった。
【感想】
・こんなに松葉づえの生活が大変だとは思わなかった。
・自分が困っているとき、友達が助けてくれて、うれしかった。
・街で、松葉づえや車いすの人を見かけることがある。
→今度は、自分が困っている人を助けたい。
設計書は、誰かに見せるわけではないので、どんどん書きましょう。
「できごと」を書くときは、その時に感じた気持ちも一緒に書きましょう。
設計書を書いてみて、作文のテーマから、はずれることは削除しましょう。
また、分量の調整をしましょう。
作文を書く順番
作文を書く順番は「序論→本論→結論」です。
序論(じょろん)
序論では、この作文が、どういう内容か簡単に説明します。
1行~3行くらいでしょう。
本論(ほんろん)
本論は、「できごと」と「その時の思い」を書きます。
結論(まとめ)で書く考えに、なぜなったのかを書きます。
本論は、序論・結論より長くなります。
結論(けつろん)
結論は、まとめです。
結論では、「自分がどう成長したか。どう思ったか。これからどうしたいか。みんなに何を伝えたいか」を書きます。
実際に読んでみないとわかりにくいと思うので、作文の例を、リンク先にのせました。
作文を書く時のルール
作文を書く時のルールは、Z会のサイトがわかりやすいので、リンクをはります。
ちゃんとルールに従って、なるべく、ていねいな字で書きましょう。
文章のテクニックとしては、
- 会話文
- 擬音語・擬態語(ぎおんご・ぎたいご)
- 比喩(ひゆ)
を効果的に入れると、最強の作文になります。
※くわしい説明は、省略(しょうりゃく)します。
そして、まちがいがないように、書いた後は、かならず読み直しましょう。
分量やまちがいが心配な場合は、他の紙に書いてから、本番の作文用紙に清書するといいでしょう。
丸パクリ・親が書くと見つかるの?
人の作文をパクったり、親が代わりに書いたりすると、どうなるか気になる人もいるかもしれません。
実体験もまじえて、私が知っていることをお伝えします。
作文コンクールでは、パクリ作文対策あり
パクリ作文がバレるかどうかは、場合によるとしか言えません。
先生によっては、検索して調べることもあるでしょう。
ネットが苦手だったり、いそがしかったり、そこまでやらない先生も多いと思います。
作文コンクールについては、以前、運営団体の人に聞いたことがあるのですが、パクリ作文かどうか調べているそうです。
その団体では、パクリ作文であるとわかっても、学校に通知せず、受賞作からはずしているそうです。
いい作文だから賞をあげようと思っても、調べてみたらパクリで賞をあげるのをやめたということがよくあるそうです。
親の書いた作文は、先生がなんとなく気づく
親が書いた作文は、先生が気づきます。
国語の先生に聞いたことがあるのですが、その生徒ではない字や、その生徒らしくない言葉づかいや内容の作文は、親が書いたんだろうなと思うらしいです。
しかし、100%の証拠(しょうこ)はないので、その先生は、生徒に直接「親が書いたでしょ」とは言わないとのこと。
ちゃんと自分の作文は自分の言葉で書きましょう!
まとめ
作文の書き方の順番をまとめると、次のとおりです。
- テーマを決めるために、「何か心動かされるようなできごと、勉強になったできごと」がないかを思い返してみよう。
- 作文の設計書に、「できごと+そのときの気持ち」と「感想」を書いてみよう。
- 作文を、「序論」「本論」「結論」の順番で書いてみよう。
- 作文のルールに従い、ていねいな字で書こう。
- まちがいがないか、よく読み返そう。
「上手な作文を書くコツ」について書いてきましたが、一番大切なのは、書く内容を何にするかだと思います。
作文のルールどおりにきれいな字で書いても、内容が「おやつで食べたアイスが、おいしかった」では、評価が高い作文にするのはなかなか難しいです。
学校や家庭のできごとなどで、「何か心動かされるようなこと、勉強になったこと」がなかったか思い出してみてください。
自分が心を動かされたことを書くからこそ、その作文を読んだ人の心も動かされます。
↓今まで説明したコツを使って、実際に作文を書いてみました。