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新型コロナウイルス感染対策で美術館がお休みすることについて

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新型コロナウイルス感染拡大の防止のため、休館する美術館が増えています。

美術館へ行くことは、不要不急ではないので、休館は当然だという意見もある一方で、先行きが見えない長期のお休みによる経済的損失が心配されています。

以下の記載は、2020年3月19日15時現在の情報です(2020年3月25日・27日に追記あり)。

↓5月に書いた新しい記事です。↓

www.yoriyoihibiwo.com

 

休館中・開館中の美術館をまとめたサイト

休館している美術館についてまとめたサイトで、だいたいの休館・開館状況を把握することができます。

(注)掲載されていない美術館が多くあり、また、休館期間などは変更になる可能性があるので、各美術館の公式サイトを確認するのが一番正確です。

 

Internet Museum

新型コロナウィルス感染予防にともなう、ミュージアム休館情報 | インターネットミュージアム

 

美術展ナビ

美術館・博物館等の開館・休館情報(随時更新) – 美術展ナビ

 

私設美術館の休館問題

「美術展ナビ」のサイトに掲載されている開館中の都内の美術館は、私設のところと、区で運営しているところが多いようです。

 

2月27日から休館した東京国立博物館をはじめ、上野では現在も、東京国立近代美術館、国立西洋美術館、国立新美術館が休館しています。

上野では、美術館のほかにも、東京都恩賜上野動物園、国立科学博物館、下町風俗資料館がお休み中のため、Twitterでは「上野でやることが全滅」というツイートがされていました。

 

上野の森美術館は3月5日~3月11日まで休館していましたが、3月12日より再開。新型コロナウイルス感染拡大の防止のため、イベントの中止・換気徹底などの感染防止策を講じながらの運営です。

 

上記で挙げた、上野の森美術館以外の上野の施設は、国または都区が運営しています。一方、上野の森美術館は、私設の美術館です。

上野の森美術館のほかにも、「美術展ナビ」に掲載されていた開館中の都内の美術館のなかで、アーティゾン美術館、原美術館、弥生美術館、ワタリウム美術館などは、私設です。

 

私設の美術館は、長期間、休館すると、チケット代などの収益が得られず、休館中でも発生する運営費による経済的損失によって、運営が成り立たなくなるおそれがあります。 

 

といっても、私設の美術館が、現在すべて開館しているのではなく、美術館によって対応が分かれています。

対応が分かれる私設美術館

まず、当初約2週間だった休館期間を延長している美術館があります。

三菱地所が運営している三菱一号館美術館は、当初2月28日~3月16日までの予定だった休館期間を延長し、3月31日まで休館する予定です。

公益財団法人運営の根津美術館でも、当初の休館期間を延長し、休館したまま3月29日に「特別展 虎屋のおひなさま」の閉幕を迎える予定です。

 

一方、休館していたけれど、再開を判断した美術館があります。

東急グループ運営のBunkamura ザ・ミュージアムは現在休館中ですが、3月20日から「超写実絵画の襲来 ホキ美術館所蔵」が開催される予定です。

公益財団法人運営の山種美術館も休館していましたが、特別展「桜 さくら SAKURA 2020ー美術館でお花見!ー」を3月14日から開催しています。

 

私設の美術館では、約2週間の予定だった休館期間を延長する、または休館期間を経て再開するというように対応が分かれているようです。 

 

そもそもこれまでどのような経緯で、美術館は休館という判断をしたのでしょうか。

イベント自粛要請のこれまでの経緯

新型コロナウイルス感染予防のため、安部総理からイベントの主催者に対するメッセージが、最初に公表されたのは2020年2月20日でした。

イベント等の主催者においては、感染拡大の防止という観点から、感染の広がり、会場の状況等を踏まえ、開催の必要性を改めて検討していただくようお願いします。なお、イベント等の開催については、現時点で政府として一律の自粛要請を行うものではありません。

(厚生労働省「イベントの開催に関する国民の皆様へのメッセージ」令和2年2月20日抜粋)

2月20日のメッセージでは、「一律の自粛要請」ではありませんでした

翌週の2月26日の安部総理のメッセージで、イベント自粛の要請があり、期間は「今後2週間」でした。

政府といたしましては、この1、2週間が感染拡大防止に極めて重要であることを踏まえ、多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等については、大規模な感染リスクがあることを勘案し、今後2週間は、中止、延期又は規模縮小等の対応を要請することといたします。

(厚生労働省「イベントの開催に関する国民の皆様へのメッセージ」令和2年2月26日)

2月27日(木)~29日(土)より約2週間の休館を発表した美術館が多いことから、この2月26日のメッセージや、このメッセージを受けて各所に通達された2月26日の文化庁政策課の事務連絡によって、休館を判断した美術館が多かったと考えられます。

 

イベント自粛・休校による効果があったのか、その後、2週間が経ち、新型コロナウイルス感染状況は、急激に悪化することはありませんでした。

しかしながら、依然として「警戒を緩めることはできない」状況のなかで、3月10日に、「専門家会議の判断が示されるまでの間、今後概ね10日間程度はこれまでの取組を継続」というメッセージが公表されました。

 政府としては、先般決定された基本方針において、イベントの開催の必要性について主催者等に検討をお願いし、またそれを踏まえて、全国規模のイベントについては中止、延期、規模縮小等の対応を要請したところですが、専門家会議の判断が示されるまでの間、今後概ね10日間程度はこれまでの取組を継続いただくよう御協力をお願い申し上げます。

(厚生労働省「イベントの開催に関する国民の皆様へのメッセージ」令和2年3月10日抜粋)

10日のメッセージに、「イベントの開催の必要性について主催者等に検討をお願いし」とあるように、各美術館によって、休館期間の延長または再開が判断がされ、現在に至ります

 

厚生労働省

イベントの開催に関する国民の皆様へのメッセージ

文部科学省

新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する対応について:文部科学省

 

【追記:2020.3.25】

3月20日に、安倍総理より新しいメッセージが出ました。

安部総理の20日のメッセージを受けて、文化庁が、「各種文化イベントの開催に関する考え方について(令和2年3月 20 日時点)」という事務連絡を出しました。

新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する対応について | 文化庁

 

この事務連絡では、「全国的な大規模イベント等」と「全国的な大規模イベント以外」に分けて、対応の仕方を説明していますが、どちらも「主催者がリスクを判断して、開催するかどうかを判断せよ」というものです。

状況が変わる可能性はありますが、今後もしばらく、国立の美術館は休館、それ以外の美術館は開館・休館を各自で判断というのが続く見込みです。

 

【追記:2020.3.27】

3月25日に行われた東京都の緊急記者会見での外出自粛の要請に応じて、3月28日(土)、29日(日)を休館する美術館の動きが見られます。

Bunkamura ザ・ミュージアムでは、「超写実絵画の襲来 ホキ美術館所蔵展」を開催していますが、28日・29日を臨時休館にするようです。

 

また、3月26日に「1都4県知事共同メッセージ」が、東京・神奈川・千葉・埼玉・山梨の知事の共同により発表されました。

1都4県知事共同メッセージ|その他の情報|東京都政策企画局

・「換気の悪い密閉空間」「多くの人の密集」「近距離での会話」の条件が重なる場所を避けるための行動
・特に感染の発見が難しい若年層の皆様の慎重な行動
・人混みへの不要不急の外出自粛
・イベントなどの自粛
・テレワーク、時差通勤、在宅勤務などの実施

(「1都4県知事共同メッセージ」より抜粋)

この自粛要請を受けて、今後、関東圏の美術館は、どのような対応をするのでしょうか。

 

このような先行きの見えない状況の中、新たな取り組みを始める美術館も出てきました。 

休館中の美術館の新たな取り組み

江戸東京博物館、三菱一号館美術館など休館中の一部の美術館では、「ニコニコ美術館」のサイト上で、展示作品の動画配信を始めました。

 

「ニコニコ美術館」を運営しているドワンゴでは、以前より、専門家などによる解説付きの美術展示を紹介する生放送番組「ニコニコ美術館」を不定期で配信していました。

 

今回、新型コロナウイルス感染拡大防止による美術館・博物館の休館を受けて、番組制作・配信費用をドワンゴが負担し、休館中の展示作品の動画配信サービスを実地しているようです。

登録なし・無料で、下記のリンクから観ることができます。 

ch.nicovideo.jp

個人的な感想

美術館では、かなり人が密集している人気の展示もあれば、広い一つの展示室に私と監視スタッフの二人しかいないということもあります。

現段階で一概に、すべて美術館を休館するというのは実情にあっていないように思います。

 

一方で、ルーブル美術館で、職員が感染のおそれから勤務を拒否し、休館することになったように、観に行く人だけでなく、スタッフの方々の感染リスクについても考えないといけない問題だと思います。

先日、百貨店でほとんどの美容部員の方々がマスクをしているのを見ましたが、すべてのスタッフにマスクを配布するという予防策も、マスクが品薄の現在、なかなか難しいと思います。

 

今は我慢の時だとしても、今後、長期の休業による経済的損失が美術館の運営にどのように負担になっていくか心配です。

また、美術館で働く監視スタッフや警備員、特設ショップの店員には派遣労働者の方が多いと思いますので家計の負担も大きいことでしょう。

新型コロナウイルスの感染拡大が1日も早く終息すること、美術館が休館中でも収益が得られる事業が見つかることを祈るばかりです。

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